
夫婦関係が上手くいかなくなり、離婚を考えはじめるとき、「もう一緒にいたくない!」と感情的になることって、ないでしょうか?
でも、勢いで家をとび出してしまった結果、夫の残る家に何度も足を運んで取りに行く…なんてことは、できるだけ避けたいものですよね。
後々の離婚話を有利に進めるため、また別居後、離婚後の生活をより良くするためにも、入念な別居準備が大切です。
今から別居や離婚を考えている方にとって、参考になることがあればいいなと思っています。
はじめに、私がこのような別居の準備について書きたいと思うきっかけになった失敗談を簡単にお話したいと思います。
Contents
失敗談:荷物を持たずに家をとび出したらこうなる
別居前夜までの揉め事と、少しずつ固まった決心
きっかけは、別居から1カ月ほど前。
元姑から色んな干渉を受けることに疲れてしまったので、「少しの間実家に帰りたい」と元夫に申し出たことです。
私は2週間くらいの期間で、しばらく距離を置きたいと思っていたけれど、元夫の返答は NO。
その時はひと言でもいいから、自分の気持ちを察してくれる言葉が欲しかったのですが。。
それからというもの、ちょっとしたことで口論やもめごとになり、夫婦関係は上手くいかなくなっていました。
最初は別居するなんて思ってもいなかったのですが、その後はこれぞモラハラ夫!と言わしめる事件がいくつかあり、家を出る決心が徐々に固まっていきました。
あとはもう、タイミングを見計らう日々。
私は何日か前から、普段使わない物から順に、少しずつ荷物をまとめ、棚の中に隠していました。
そして別居前夜。
その夜も、ささいなことから元夫と口論(対等な感じではなく、私が劣勢な感じで)がはじまりました。。
うんざりしながらも、精神的に追い詰められていきました。とにかく「もう家を出る」を繰り返していたのはハッキリ覚えています。
罵倒の嵐がようやく去り、元夫が寝静まったのが、夜中の3時。
「夜が明けたら行こう」と決め、棚にしまっていた荷物を床の上に取り出し、良く使う日用品や洋服など、最後の準備をしながら待って、そのまま朝を迎えました。
荷物は、洋服、書類などジャンル別に袋やバッグに詰めました。袋の数は6個くらいあったと思います。
別居当日、入念の準備もむなしくパニック状態で脱出
翌朝、私がいるリビングに現れた元夫。
夜までの話し合いではまったく腑に落ちていない様子で、
「で、どうするんや。」
と、出て行くのか出て行かないのか、しつこく聞いてきます。
家を出るという答えが変わらない私にだんだん怒りがこみあげてくる元夫。
気が付いたら罵倒され続けていました^^;
私は自分の意見を言うのも怖くてただひくひく泣いて、トイレに逃げ込んだり、頭がパニック状態…!
ちょうど同居の義両親は朝から出かけており不在。
”今しかない!”と思った勢いでうっかり(?)一旦手ぶらで外に出てしまいました。
そのせいで、せっかくまとめた荷物を二階の部屋まで取りに入るタイミングも余裕もなく、部屋の中から息子を呼び出すのに精いっぱい。
なんとか持ってこれたのは、財布や免許証が入った普段のかばんと、何日分かの着替え、息子の保育園バッグとお昼寝用のお布団のみ。。。
あんなに前もって準備した荷物、冷静さを失ってほとんど置いてきてしまったのです。。
必需品を持ち出せなかったことに気づく
その日から、実家での生活が始まりました。
離婚に向けて大きく前進したことについては、よかった!よくやった!という気持ちでした。
生活で足りないものは、最悪買い足せば何とかなるし、何より実家でお世話になれるのは本当にありがたかったです。
そんな別居生活をスタートしてから3ヵ月程経った、ある日。
家を出るときに絶対置いてきてはいけなかったものを、置いてきてしまったことに気がつきます。
年金手帳と、母子手帳。
その当時、私は非常勤職員として勤めていた職場の、契約期間が終了。
社会保険の手続きで、年金手帳が必要になりました。
そして同じ頃、息子の就学前健診で、母子手帳での確認が必要になり…!
どちらも見事に、元の家のリビングに荷造りした状態で置いてきてしまった。
別居中のメールのやりとり次第では、トラブルになることもある!
別居中、元夫にはまだ私に未練があったらしく、やり直したいという内容のメールがくることが時々ありましたが、私は考え直すつもりはないとその都度、返信をしていました。
さらには、なぜか離婚の問題に関係のないことまで送ってくるようにもなり…!
知らんがな! としか言いようのない内容です。これにはスルー!
そんな中、私は必要になった年金手帳と母子手帳を郵送するようにお願いしました。
こんなやりとりをしていると、やはり「離婚」という本題から遠ざかってしまいます。
離婚するかどうかという状況で、こちらが頼みごとをする立場になるというのは、自分が不利になったような気がしますね。
持ち出せなかったパソコンは義父に捨てられた!
離婚が成立してから、いよいよ荷物の清算をするときがきて、独身の時から使っていた私のパソコンを届けるようお願いしました。
すると「親父(義父)が分解して捨てたから無い。お前がもう要らないって言うから、じゃあ処分するぞって約束したじゃない」と言われたこともありました。(要らないって言ってないし約束してない!)
長くなってしまいましたが、荷物を残してくると、余計なトラブルを招きかねません。そして何より、冷静に対処することを忘れてはいけませんね、反省!^^;
別居の際に持ち出してもOKな荷物、NGな荷物
荷物といっても、どの範囲まで持ち出すことが可能でしょうか?
この答えは、財産分与した時にどちらの財産になるかという基準で判断すれば間違いない、ということです。かたい表現ですが、この考え方を基準にすることが、トラブルを最小限に抑えられる無難なやり方です。具体的な例をみてみましょう。
財産分与できない、あなたの「固有財産」は持ち出してもOK
例えば以下のようなものは「固有財産」に該当するので、持ち出しても法的には問題ありません。
- 結婚する時に実家から持ち込んだもの
- 夫からのプレゼントで、自分が使用しているもの(服や靴など)
- 結婚する前から貯めていた預貯金
ただ、これもケースバイケースで「テレビは独身の時から私が使っていたものだから」といって、リビングに置いてあるテレビを持ち出すというようなことは、おすすめできません。
いくら合法でも、無駄に夫の心象をわるくさせたり、逆上させることは他の大事な交渉に不利になることがありますので、できるだけ避けましょう。
すぐに困らないような荷物は、正式に離婚が決まって実際に財産分与する際に話し合うこともできます。
▼財産分与については、こちらの記事でも書いています。
財産に関する必要書類は写真やコピーをとっておくのがベスト
いずれ離婚の際に、財産分与をすることになります。その際に夫名義の財産(通帳、預貯金以外の資産があればそれに関する契約の書類等)を把握しておく必要があります。
ですが、これらは夫の名義の場合、勝手に持ち出すわけにはいかないので、写真やコピーをとっておきましょう。
- 源泉徴収票(別居中の生活費や養育費を請求するとき、金額の算定に使います)
- 生命保険、学資保険等の証券(離婚後の名義変更や、積立式の場合は財産分与に使います)
▼別居中の生活費について気になる方は、こちらの記事もどうぞ!
固有しない財産・夫婦共有の財産を持ち出す場合の注意点
では、あなたが固有していない共有の財産や、夫の持ち物は持ち出すことができないのかというと、必ずしもそうではありません。
夫婦間で、相手の荷物や共有の資産を持ち出して別居することで、罪に問われることはありあせん。
ただし、荷物の運搬などを夫婦以外の第三者に手伝ってもらった場合は、その第三者が窃盗罪で訴えられることがあります。
あなたの固有の財産意外の荷物の持ち出す必要がある場合は、一人でやりましょう。
別居中に荷物を取るため元の家に勝手に入ってもいい?
あなたが家を出て、ひとたび別居が始まると、事実上の居住地が元の家ははなくなってしまいます。
この場合は、必要な荷物を取ろうとして元の家に勝手に入ってしまうと、刑法130条の住居侵入罪に該当してしまいます!
元の家の荷物を取りに行くには承諾が必要です
別居中であっても夫と連絡が取り合える環境にあり、荷物を取りに帰ることの承諾を得られたら、持ち出すことは可能です。
別居に至った経緯などにもよるかもしれませんが、承諾してもらえない可能性もあるかもしれません。
また、極力夫に連絡を取りたくないケースもあるでしょう。
まとめ
冒頭でも書きましたが、別居準備をしっかり準備すればするほど、後で足りないものを買い足さなくて済むし、離婚問題がこじれるようなトラブルや、後々の生活での困り事もはるかに少なくすることができます。
ただ私の失敗談のように、いくら準備をしていても、土壇場で上手くいかないことはあり得るでしょう。
とにかく冷静に行動することが大切です!
ここでは基礎編として、別居をする際スムーズに荷物を持ち出せるための基本的な考え方と注意点をご紹介しました。
応用編では、実際に荷物を準備するのに役立つ情報をお届けしますのでお楽しみに!