
「結婚生活が上手くいかず別居を始めることになったけど、、
これからの生活費はどうしよう??」
毎月のお給料に、手持ちの貯金でしばらくは何とかやっていける方も、実家の援助を受けられる方も、
別居中の生活費、請求することができるんです!
Contents
離婚前は生活費を分担する義務がある!
別居中でも婚姻関係にある場合は、夫婦の収入に応じて、生活費を分担するという義務があります。
基本的には、多い方が少ない方に対して別居中の生活費を請求することになります。
この別居中にかかる生活費を、「婚姻費用」といいます。
婚姻費用には、子ども連れて別居をした場合、子どもの生活費ももちろん含まれます。
養育費とは何が違う?
「婚姻費用」・・・離婚が成立するまで。配偶者と子ども、両方の生活に必要な費用。
「養育費」・・・離婚が成立した後。子どもを養育するための費用。子どもの分のみ。
婚姻費用には、配偶者+子どもの生活費用ということで、大人1人分の生活費が含まれているんです。
ということは、
養育費 < 婚姻費用
養育費よりも大きい金額を離婚前に請求する権利がある、ということ!
別居期間が長ければ長いほど、大きな金額になってきます!
別居中の生活費には相場がある!算定表でチェックしよう
具体的な金額については、夫婦それぞれの収入や、子どもの人数とその年齢によって、相場があります。
裁判所で使用されている、「婚姻費用算定表」があります。
この表にある相場の金額を目安に、あとは夫婦お互いの経済状況に応じて、相談していくことになります。
ここでは、夫の年収500万、妻の年収100万円の場合で、いくら請求することができるのか?
算定表を基にして、まとめてみました。
夫:サラリーマン年収500万円、妻:パート年収100万円の場合の婚姻費用
夫婦のみ | 4~6万円 |
子1人(0~14歳) | 8~10万円 |
子1人(15~19歳) | 8~10万円 |
子2人(2人とも0~14歳) | 8~10万円 |
子2人(15~19歳、0~14歳) | 10~12万円 |
子2人(2人とも15~19歳) | 10~12万円 |
いかがですか?
「14歳以下の子どもは、1人でも2人でも金額変わらないように見えますが、
実際の算定表では、はっきり「8~10万円!」と明記されているわけではなく、振れ幅のあるグラフになっています。
別居中の生活費、請求は急いだらダメ!
ちなみに私が別居をしていたとき、元夫から支払われていた金額は44,000円でした。
配偶者+子1人でこれ、算定表の金額よりは、かなり少ないですよね…。
私の場合は、
- 離婚調停が始まる前に自分で元夫に交渉してしまったこと
- 中途半端な知識のまま請求してしまったこと
この2つが原因だったかな、と思われます。
別居が始まって半年近く経ってから交渉しました。実際には実家で生活していたのを、元夫も知っていたので、自分からあまり大きな金額を請求しにくいのもありましたね。。
たしか、金額の目安は息子の習い事の月謝+保育料の合計金額だったと思います。。
離婚調停になってからきちんと請求していたら、もっと算定表に近い金額、約8万円を受け取れていたかも!!
最終的に離婚が成立したとき、まだ請求してなかった半年分も、さかのぼって請求することができました。
別居してすぐにお金の話ってなかなかできないと思います。
請求できる金額を調べて、調停をするならその時にきっちりと請求するのがベストです!
もし別居中の生活費をもらえなかったら…?
実際には、「勝手に出て行ったのはそっちだろう!?」と言って生活費を出さない、というケースも結構あると思います。
交渉しても断られてしまう、またはDV等が原因で交渉すらままならないことだってあるんじゃないでしょうか。
そんなときは、婚姻費用分担請求調停を申し立てることになります。
夫婦それぞれの意見も聞いた上で、裁判所が最終的に判断します。
これは夫婦が離婚するどうかという離婚調停と違って、必要不可欠な子どもの生活費にもすぐに影響する問題です。
そのため、通常の離婚調停を申し立てることにより、比較的早い段階で決着がつくことも多いようです。
自分に原因があって別居した場合でも生活費はもらえるのか
もし結婚生活が破綻する原因が自分にある場合でも、別居中の生活費をもらえるのでしょうか?
基本的には、別居中であっても生活費は必要になりますので、収入の多い方に婚姻費用分担の義務があるのには変わりありません。
別居の原因がある側が生活費の分担を請求する場合でも、子どもと一緒に別居しているなら、子どもを養育するための費用については制限されることはないようです。
たしかに、夫婦のいざこざに関しては、子どもに罪はないですからね。
ただし、例外もあるようです。
こちらが、実際にあった判例。
「X(妻)は有責配偶者であり、そのX(妻)が婚姻関係が破綻したものとしてY(夫)に対して離婚訴訟を提起して離婚を求めるということは、一組の男女の永続的な精神的・経済的及び性的な紐帯である婚姻共同生活体が崩壊し、最早、夫婦間の具体的同居協力扶助の義務が喪失したことを自認することに他ならないのであるから、このようなX(妻)からY(夫)に対して、婚姻費用の分担を求めることは信義則に照らして許されないものと解するのが相当である。」
平成17年3月15日に福岡高裁
簡単にまとめてみると、
妻の浮気が原因で別居をすることになりました。
妻はその相手と将来一緒になるくらいの勢いで離婚訴訟を起こしました。
「夫婦関係を終わらせようとしているあなたが、婚姻費用を請求する資格ないでしょ?」
これは極端なケースかもしれませんが。。
別居中の生活費がいくらもらえるかは、
- 夫婦の経済状況
- 子どもの年齢・人数
- 別居の責任の有無
- 夫の性質(出し渋る等)
などによって様々なケースがあります。
もしあなたが別居中の生活費を支払うよう夫に請求するときは、これらの項目を客観的に判断した上で、慌てずに対応していきましょう。
自分での交渉が難しい場合は、一度相談してみるのもいいですよ。